山猫日記

三浦瑠麗 山猫総研

2014-01-01から1年間の記事一覧

年末回顧ーー産経デジタルに寄稿しました

皆さま、一年間山猫日記にお付き合い頂きありがとうございました。 2014年の重大出来事を回顧した記事を仕事納めに納品しました。産経デジタルに掲載されています。ご笑覧いただければ幸いです。ではどうぞ良いお年をお迎えくださいませ。「冷戦後」の終わり…

選挙結果の意味するところ

投票率の低下により自民への追い「風」の影響が少なかった 衆議院選挙は与党の2/3を超える圧勝で終わりました。選挙期間中は、国民の関心が低いと批判された選挙でしたが、終わってみれば予想通りの与党の圧勝で、マスコミや識者の多くもその意味するところ…

『プレジデント』に靖国問題についてのインタビューが掲載されました。

12月22日月曜に発売された『プレジデント』2015年新春特別号(1/12号)、「仕事に役立つ歴史の知恵」特集の「靖国問題」において、解説をしました。 現代の民主的な先進国において、プロの志願兵である兵士の犠牲は、早く忘れ去られる傾向にあります。豊かな…

産経デジタル寄稿ー総選挙の結果を受けて

総選挙の結果を受けて、産経デジタルにコメントを寄稿いたしました。詳細な選挙分析については、近々ブログにアップします。以下記事リンクもはや出来ない言い訳は通らない

日本の選挙区の構造について(2)

選挙区分析のポイント 日本の選挙区の構造を通じて政治について考えるシリーズの2回目、本日はもう少し未来志向で選挙区の分析を通じて見えてくる日本政治への意味合いについて考えたいと思います。 前回のポイントはこうです。衆議院選挙の帰趨を制するのは…

日本の選挙区の構造について

新聞各社は選挙の終盤を迎え、自民党の300議席超えを予想しています。今回の選挙では、野党は本気で与党に挑戦していないわけだから、与党の勝利自体には新味はないでしょう。選挙の勝敗そのものが論点でなくなったことで、一部のメディアは選挙後の政治の展…

産経デジタルに寄稿しました。

<a href="http://ironna.jp/article/690" data-mce-href="http://ironna.jp/article/690">保守二大政党にしかリアリティーがない</a> 保守二大政党にしかリアリティーがない 産経デジタルのご依頼で、以前も書いたテーマですが…

文藝春秋スペシャル2015年冬号

明日発売の文藝春秋スペシャル冬号に、日本のエリート論を寄稿しています。三浦瑠麗「日本ニューエリートの苦悩」です。今回は少し長い記事でした。お手近の書店か電子書籍でお買い求めいただければ幸いです。文藝春秋|雑誌|文藝春秋SPECIAL_150101文藝春…

共同通信に識者評論を寄稿しました―沖縄県知事選

去る11月16日に行われた沖縄県知事選挙に寄せて、共同通信に識者評論を寄稿いたしました。沖縄政治はいつも物事の重要度の割に世論の関心が集まらない傾向にあります。この問題に引き続き、中央と沖縄県政双方の真摯な取組みを期待したいと思います。以下は…

解散総選挙(3)―民主党の活路

解散総選挙に関するシリーズ第三弾、本日のお題は、政権交代というかつての旗印を失った民主党が今後も社会にとって前向きな存在であり続けるための方策についてです。 さて、まずは解散ということに引き付けて指摘すると、民主党はもはや政権を再奪還する可…

解散総選挙(2)

前回のエントリーでは、今般の解散について党利党略であるとの批判よりも、アベノミクスを正面から争点に据えて戦うべきということを申し上げました。野党にとっては、左派的なプラットホームで戦うことは万年野党への道であり、右派的なプラットホームで戦…

解散総選挙(1)

安倍総理が消費税増税の先送りとそれを踏まえた解散総選挙を表明しました。政府や日銀はマクロ経済についてより詳しく知る立場にあるのですから、先般の日銀の追加緩和も、にわかに高まった解散風も経済統計の悪化を踏まえてのことでしょう。日本経済も、ア…

文藝春秋オピニオン 2015年の論点100に寄稿しました。

本日発売の文藝春秋オピニオン『2015年の論点100 』に寄稿いたしました。お手近の書店ないし電子書籍でお買い求めいただければ幸いです。第二部、安倍政権と日本の政治のセクションにて、論点14(66〜69頁)に載っております。執筆当時、早期解散は予期してい…

文學界12月号にコラムを寄稿しました。

文學界 2014年12月号Author's Eyes の1ページコラム 欄に、「溝を憂う」を寄稿しております。明日発売です。文學界新人賞の各受賞作も載っていますので、どうぞお買い求めいただければ幸いです。

沖縄県知事選とアメリカとの付き合い方(2)

前回は沖縄知事選の争点になっている普天間基地の移設について、日本という国のガバナンスの視点から取り上げました。折しもアメリカの中間選挙の開票が進んでいる本日は、日米同盟について、広くアメリカという国との付き合い方について考えたいと思います。…

沖縄県知事選とアメリカとの付き合い方(1)

沖縄県知事選が始まっています。実際の沖縄県民の空気はいろいろだろうと思いますが、中央のマスコミが切り取る限りにおいては、普天間から辺野古沖への基地移転の是非が主要な論点のようです。こじれにこじれ、言い尽くされた感のある論点ではあるのですが…

北海道新聞に寄稿しました。

北海道新聞の10月24日付朝刊、各自核論の欄に寄稿させていただきました。 以下、記事本文を転載します。 「積極的平和主義」を考える 自民党の政権復帰から約2年、安倍内閣は積極的平和主義を掲げて活発な外交を展開してきた。アフリカ、南米、南アジアなど…

ノーベル平和賞受賞スピーチ(草稿)

憲法9条及びそれを守ってきた日本国民が、ノーベル平和賞を受賞する可能性について報じられています。改めて、北欧の小国が勝手に決定する賞に日本ではこれだけ注目が集まることに感心します。とは言え、ネット空間でにぎわっている誰が授賞式に行くのか、そ…

非正規雇用と日本の民主主義

非正規という形で働く方の割合が継続して高まっています。統計によって多少の差があるようですが、80年代の後半から実数で2.5倍増加し、足もとでは既に労働者の約4割に相当します。非正規労働のすべてが一概に悪ということではないでしょうが、本日は非正規…

消費増税反対キャンペーンについて

新内閣にとって、消費増税の判断は今年の秋以降の政治の流れを占う重要なイベントとなりそうです。増税合意の当事者だった谷垣幹事長の任命や最近の閣僚の発言を見る限り、予定通り増税することが政権の既定路線と思われます。増税判断も、そのための景気動…

地方創生とは何か?

第二次安倍改造内閣が発足しました。総理や主要閣僚の会見を通じて伝わってくるメッセージは「地方創生」が重要テーマとなるということです。自民党が政権に復帰して後のアベノミクスの恩恵を全国に広げるというのが目的ということですので、時宜を得た課題…

戦後69周年「識者評論」より転載(共同通信社への寄稿)

終戦記念日特集で、共同通信社に評論を寄稿いたしました。 8月13-15日にかけて各地方紙に載った内容のオリジナル版を以下に転載します。 「死者を悼む」 本日8月15日は、お盆であり、終戦の日として、二重の意味で祈りの日である。今年は、その日を安全保障…

ガザにおける紛争について

ガザでの紛争に出口が見えない。何度かの停戦を挟んで交渉は行われているようですが、停戦合意の継続さえままならないようです。積み重なった怨恨と利害関係の複雑さにフラストレーションばかりが募り、平和という言葉が、もはや空疎にさえ聞こえてしまうほ…

韓国について考えたこと

本日は韓国について考えたいと思います。先般、中国の習近平国家主席が韓国を訪問しました。日本における報道のトーンは、強力に演出された中韓の蜜月ぶりの真偽を問いつつ、歴史問題で反日共闘姿勢への警戒が語られるというところだったように思います。北…

集団的自衛権(2) – 闘え左翼、ただし正しい戦場で

7月1日、集団的自衛権が現行憲法の解釈として認められるという趣旨の閣議決定がなされました。関連する法整備はこれからですし、その後も、安全保障の現場で日々行われる意思決定や行動規範がただちに変化するわけではないでしょう。安全保障の世界の常識…

政権の偉業と開かれた保守―外交政策

政権の偉業とは何かについて考えるシリーズ第三弾、「開かれた保守」をキーワードに今日は外交政策について考えたいと思います。前回からだいぶ時間があいてしまったのでこれまでの議論をおさらいします。第一弾では、安倍政権では、実は経済改革がどんどん…

集団的自衛権論争の本質

集団的自衛権をめぐる論争がどんどん盛り上がってきています。本稿でも他のテーマを論じる中でこの論点にも触れてきたつもりですが、最近、「で、三浦さんはどうなのよ」的なプレッシャーをいただくようになりました。泥仕合の感が高まっている論戦を眺めつ…

共同通信社/加盟49社の論説研究会で講演しました

一昨日(5月26日)、共同通信社と加盟新聞社計49社の論説担当責任者の論説研究会(於共同通信社本社)で、「『シビリアンの戦争』と『共和国による平和』」と題して招聘講演を行わせていただきました。 冷戦終結後この方、世界大での民主化が進展し、また権…

政権の歴史的偉業とは何か

GWで少し時間が空いてしまいましたが、前回のエントリーでは、安倍政権において進んでいる経済改革について一歩引いた立場からの評価を試みました。そして、確定的な評価には時期尚早との留保はありつつ、圧倒的な政権基盤や同政権の保守的なイデオロギー故…

第三の矢 ー 安倍政権の経済改革の歴史的位置づけ

安倍内閣の経済政策が大きく動いているようです。しかし、それは多くの方の実感には反するかもしれません。安倍内閣がこれまで進めてきた最重要の政策は、もちろんデフレ脱却を目指して行われてきた金融政策です。国内外を問わず、経済誌や専門家の論調は、…