2014-01-01から1年間の記事一覧
ウクライナ情勢の深刻化をきっかけとして、米国のリーダーシップの限界を指摘する、いわゆるGゼロ論が活発になっています。米国の相対的な地位の交代は金融危機をきっかけに加速し、オバマ政権の内政志向によって加速されていることですので、今に始まったこ…
ウクライナ情勢をめぐる国際社会の緊張がエスカレートしています。エスカレートという言葉自体、冷戦中に頻繁に登場した言葉で、現代にはいかにも合わないものですが、残念ながら現在の状況を言い当てる言葉になってしまいました。クリミアでの住民投票、同…
ロシアのウクライナの内乱に際してのクリミア介入が争議を呼んでいます。欧米メディアの論調は、「新冷戦」を予測する者から、以来の地政学的なショックというものまで、冷静な分析とそうでもないものが入り混じっています。日本の論調は、事実関係について…
日本維新の会の政策実現が曲がり角に来ています。維新ムーブメントの生誕地である大阪では、看板政策である大阪都構想が他政党の積極的及び消極的反対にあって停滞しているため出直し選挙が計画されています。他主要政党から有力な候補者が出てきそうにない…
安倍政権は女性活用を重視しているようです。「第三の矢」の成長戦略への注目が高まる中で、「三年間抱っこし放題」のキャッチフレーズとともに有名になった育児休業の延長や、5年間で待機児童をゼロとすることなどが目玉であり、ダボス会議では指導的立場に…
前回のエントリーでは、今後数年の日本政治の重要テーマである野党再編について、地方までを含んだ保守系二大政党制が確立するかどうかがポイントであると申し上げました。それでは、日本全国保守一色になってしまうのではないかという懸念をもたれる方がい…
野党再編は今後数年の日本政治のホットトピックとなるはずです。衆参で自民党が圧倒的な優位にあるからこそ、野党はそこにエネルギーを注がざるをえません。いったん政権交代を経験してしまった以上、かつての社会党のように万年野党であることを受け入れつ…
先日の日経新聞に、日本の特に地方部の人口動態について興味深い記事がありました。現在のトレンドで推移すると日本の多くの地方は人口がどんどん減っていき、共同体として存立し続けることが難しくなるという、とても深刻な内容でした。株価、為替、成長率…
前回のエントリーで、米国はやがて東アジアでの権益維持や、日本防衛のコミットメントから徐々に撤退していくであろうとお話ししました。それは、米国の民主主義が必然的に到達する結論であって、良い悪いの問題ではありません。米国は、別に東アジアや日本…
民主主義国間の同盟関係は、同盟を維持しようとする国民の意思に依存します。前回のエントリーで、やがて「米国の撤退」が始まると申し上げましたが、その理由もこの点から派生しています。勢力均衡の時代の同盟政策はプロ同士の取り決めでした。同盟管理の…
沖縄の基地問題の行方が揺れています。安倍政権は、民主党から政権を奪還して以後、普天間基地の辺野古沖移設を用意周到に進めてきました。石破幹事長がにらみを効かせる会見において沖縄選出の議員が容認姿勢を明らかとし、年末には知事も容認の立場を表明…
前回のエントリーで、盛んに喧伝される「日本の右傾化」の本質は、戦後のリベラル系メディアが社会的な踏絵を迫ってきたことに対する、反左派的な気分であると申し上げました。加えて、実際の政策において日本の戦後リベラリズムは、国民の幅広いコンセンサ…
新聞の論調を見る限り今回の都知事選は、細川元総理と舛添元厚労相を軸に展開されるようですが、今回の選挙の一つの特徴は、イデオロギー的に両候補よりそれぞれ左と右にわかりやすい候補がいることです。宇都宮氏は、日弁連の会長も努められた人権や環境に…
東京都知事選の候補者が出揃い、おぼろげながら選挙の争点も見えてきました。小泉元総理の支援を受けた細川元総理が原発の即時停止を訴える中、舛添元厚労相は、原発問題の争点化を避けつつ、自公与党を代表して五輪準備、高齢化問題等をバランスよく訴える…
東京都知事選において問われていることは何でしょうか?これは単純なようでいて、実は奥深い問題かもしれない。もちろん、定義から言えば、東京都の知事にふさわしい人物を選ぶことであり、日本最大の予算規模を誇る自治体を動かし、ある意味、日本最大の諸…
前回、総理の靖国神社参拝には、戦後長らく「弱者」の地位にとどめ置かれたと認識してきた保守層による、国内の敵に対する自己主張という側面があるのではないかと申し上げました。今回は、保守層が弱者認識を形成するに至った歴史的経緯を振り返りつつ、現…
連休でご報告が遅れましたが、読売新聞 1月11日(土)夕刊の【気鋭新鋭】にて取り上げていただきました。オンラインではどうやら読売プレミアムでしか読めなさそうです。 『シビリアンの戦争』を書くに至った経緯、当事者性を離れたところにも共感を広げるの…
昨年暮れの総理の靖国神社参拝は多くの識者が分析されているように、参拝から生じるであろう負の側面を最小化するタイミングで行われたように思います。参拝時期がマスコミ関係者の多くが実質的に休暇モードに入っているタイミングにあり、予め準備された特…
柿崎さん「日本再生考」47Newsでインタビューいただきました
2012年10月に出版させていただいた拙著、『シビリアンの戦争―デモクラシーが攻撃的になるとき』です。改めて、どうぞよろしくお願いいたします。 修士課程からずっとお世話になっている恩師、藤原帰一先生と、岩波書店の大橋久美さん、また多くの方々のご助…
三浦瑠麗(みうら るり)です。ブログ開設に当たり、読者の方々の参考と、自分の頭の整理のために、自分の思想のキーワードが何かを考えてみました。 思想というと少々大袈裟だし、日々の出来事やニュースの中で感じることはそれぞれの特殊な状況を含んでい…