山猫日記

国際政治学者、三浦瑠麗のブログです

吉本興業経営アドバイザリー委員会のご報告

本日は、吉本興業の件について、まとまったご報告をしたいと思います。今週月曜に吉本興業の経営アドバイザリー委員会の第二回会合に出席してきました。座長から記者ブリーフィングがあった通り、反社チェックの話と契約のあり方に議論が集中しました。今回…

「やせがまん」できなくなった社会―あいちトリエンナーレ問題を考える

あいちトリエンナーレ問題 過去1週間ほど、愛知トリエンナーレをめぐる問題がマスコミやSNSを賑わせています。多くの識者が発言をしているところですが、極々簡単に出来事の時系列を振り返っておきましょう。 話題になったのは、「表現の不自由」と名付け…

香港の運命

本日は、香港におけるデモの問題を取り上げたいと思います。香港問題は、中国の問題を考える上で避けて通れない文脈を提供してきました。自由経済都市における自由という文脈を超えた、世界史的な意味合いについて考えたいと思います。 大型デモの背景と顛末…

参議院選挙を前に―なぜ自民一強なのか

本日は参議院選挙を前に少し分析をしたいと思います。読売新聞の7月15日付朝刊では「与党改選過半数の勢い」と見出しを打ち、自公で67議席から76議席を取る可能性があるとしました。日経新聞は「改憲勢力3分の2に迫る」とする一方、時事通信社は「改憲勢力、…

死ぬなら一人で…論争に思うことーー川崎登戸殺傷事件&農水省元次官息子殺傷事件

2件の深刻な殺人事件が起きました。細かく説明する必要はないでしょう。カリタス小学校の児童と保護者を襲い、犯人が直後に自殺した事件と、それに触発されたとおぼしき、家庭内暴力を振るっていた息子が世間に迷惑をかけないように殺害したと供述している農…

なぜ維新は逆風の中で勝ったのかーー大阪ダブル選

本日20時の投票締め切りと同時に、大阪府知事選と大阪市長選でそれぞれ吉村洋文氏、松井一郎氏の当確が出ました。私は、事前にインターネットパネルではありますが独自調査を行っていましたので、当初から維新候補の圧勝を予想していました。しかし、選挙戦…

3月11日から八年、エネルギー政策を考える。

3.11から八年。その節目にはさまざな記事が出されました。その日、だけでなく書いていくことに意味があるのかなと思い、本日は東日本大震災から8年の節目に考えたことについて書いてみたいと思います。 「あのとき何をしていたか」を共有するのが国民 グロー…

日本における「女性問題」炎上を読み解く三つのポイント

遅ればせながら、新年初のブログです。今年もよろしくお願いします。 新年早々、ツイッター界では女性問題での炎上が続きました。西武SOGOデパートのCMおよびCF。安藤サクラさんを起用した広告が、女性活躍を否定しているのではないか、女性が差別され続けて…

カバノー新最高裁判事をめぐるスキャンダルから学べること

引退を表明したアンソニー・ケネディ氏の後任の米国連邦最高裁判事としてブレット・カバノー氏(53歳)が承認されました。ケネディ氏は保守派ではありましたが、どちらかというと穏健派。保守とリベラルで意見が割れる際にはリベラル側につくこともあり、多…

朝鮮半島の変化は不可逆的

南北首脳会談 今回の南北首脳会談では、文在寅大統領の必死の説得にもかかわらず、非核化検証のための北朝鮮国内の核施設や核兵器のリスト開示が実現しませんでした。しかし、成果は二つあります。まず、より小さな成果としての非核化問題における進展は、ミ…

LGBT差別や偏見の「理由は何でもよかった」のではないか

『新潮45』に寄稿した杉田水脈衆議院議員のLGBTをめぐる意見が話題になっています。これまで、お上目線や自己責任論で福祉行政を語る保守派の政治家はたくさんいましたが、お上にはそれなりの威厳や打ち出しの高さも必要ですから、それとは毛色がだいぶ違う…

トランプ大統領が打ち出した「お互い様」のロジックー米露首脳会談批判の検討

米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領が、フィンランドのヘルシンキの大統領公邸で会談を行いました。日本のメディアでは、会談に遅刻した上に終始硬い表情だったプーチン大統領とのあいだで、トランプ大統領が関係改善に向け働きかけを行ったとい…

米国の勘違い―都合の良い同盟と覇権秩序

同盟ただ乗り論のいま トランプ政権による北朝鮮の金正恩委員長との交渉が連日ニュースをにぎわす中で、ここしばらくの報道で浮かび上がってきたトランプ政権の東アジア観と、米韓同盟、日米同盟のリアルを考えてみたいと思います。 米国では、つい先日トラ…

エマニュエル・トッドさんに聞いたこと

昨日、BSフジのプライムニュースにでました。 エマニュエル・トッドさんのお話を聞くという企画でしたが、やはりトッドさんの本を読み込んでいる人に来て欲しいということで、伺いました。放送後にお話をさらに伺ったかんじでは、日本によくある、とにかく何…

セクハラはどうしたらなくなるのか―福田財務次官のセクハラ報道と世論からの学び

福田淳一財務次官がセクシャルハラスメントをめぐる問題の混乱を受けて辞任しました。これまでも、どこかの組織でスキャンダルが持ち上がるたびに、それなりに注目されてきたセクハラ問題ですが、今回はエリート官庁のトップがテレビ朝日の社員に対して行っ…

朝鮮半島をめぐるグレートゲーム

ピョンチャン五輪 ピョンチャン五輪が開幕しました。4年に1度の機会を目指して真摯に競い合う選手達の存在の裏で、朝鮮半島をめぐる政治戦が盛り上がっています。それは、かつて帝国主義の時代に、大国達が様々な思惑で特定の地域に関与したグレートゲームを…

トランプ大統領の一般教書演説を読み解く(付録:ロシアゲート疑惑をめぐる続報)

一般教書演説は非常にトランプ的 トランプ大統領の一般教書演説が終了しました。メディアは早速演説を分析し、強い米国、強い経済を訴えながらも、外交政策で新味に欠けているとか、あるいは米国民の結束を訴え超党派の取り組みを訴えながらも他方で国を分断…

9条とリベラリズムの死

リベラリズムとは何か? 総選挙が公示され、本格的な選挙戦が始まっています。今般の選挙においては、リベラルという言葉が注目を集めています。直接のきっかけは、小池都知事率いる希望の党への民進党の合流話が持ち上がったこと。希望の党は「保守」を標榜…

虚無感の内実ー衆院選を前にした日本政治の激動

日本政治が動いています。解散を前に、小池都知事は「希望の党」を立ち上げました。しがらみのない政治を目指すと言います。沈みゆく船から逃げ出すがごとく、民進党からは離党者が相次いでいます。このままいけば、前原民進党は都議選と同様、埋没して壊滅…

総理大臣による解散は課題設定の権力

アジェンダセッティングの戦い 総理が衆議院の解散を表明しました。解散の噂が濃厚になり始めた10日ほど前から永田町は選挙モードでしたが、今はもうサーっと人が引いている感じです。28日にいったん国会に集まった後は、文字通り全国に散っていくことになり…

シャーロッツビルの悲劇

政権発足以来の危機 米トランプ政権が政権発足以来の危機に直面しています。8月12日に行われた白人至上主義者の集会に際して、反差別の立場からカウンター・デモを行っていた女性が死亡し、多数の負傷者を出した事件の扱いをめぐって政権批判が高まっている…

内閣改造を読む

1にも2にも党内力学 内閣改造と自民党の党役員人事が出揃いました。メディアは、改造の目的を云々し、内閣にニックネームをつけ、いつもどおり大騒ぎをしています。改造後の世論調査で内閣支持率がどこまで回復するかはなお見通せませんが、話題を変える効果…

内閣改造前夜

後世の批判に耐えられるか 内閣改造が明日行われます。明日の今頃には新任の閣僚に対していろいろな論評が行われていることでしょう。そもそも、「(内閣の)骨格は変えずに、人心は一新する」という難しい課題設定は、政策は継続しつつ話題だけ変えることが…

都民ファースト大勝の意味合い

都民ファースト大勝の影響 小池都知事率いる都民ファーストの会が都議会選挙で大勝しました。都議会選挙の影響範囲は、第一義的には都政においてです。今回の選挙は不思議な選挙でした。小池知事側の戦略勝ちなのですが、誤解を恐れずに言えば、政策上の争点…

教育無償化と加計学園問題をつなぐもの

教育無償化政策の哲学 教育の無償化ないしは投資増加が日本政治において注目を集めています。5月3日に発せられた安倍総理のビデオメッセージでは憲法改正のテーマとして挙げられました。維新は独自の憲法改正案を発表していますし、課題となる財源について、…

改憲運動に欠けているもの

改憲を政治日程に乗せたことを評価 5月3日は、日本国憲法施行から70年の節目。そんな日に、安倍総理から改憲に向けたビデオメッセージが発せられました。ポイントは二つ。憲法改正を具体的な政治日程に乗せるとの立場を明確にしたこと。そして、その改憲の眼…

北朝鮮危機を正しく恐れること

目的はオバマ政権の否定 北朝鮮をめぐる情勢が緊迫の度を増しています。一部報道によれば、新たな核実験の可能性や、その他の挑発の可能性が取り沙汰されています。米国側からの先制攻撃が近いという観測もあり、あたかも戦争前夜であるかのような雰囲気です…

石原慎太郎元都知事の会見を受けて

何が「問題」なのか? 石原元都知事の豊洲に関する会見を見ました。中身に入る前の印象としては、石原氏が大組織のトップとしてまっとうなことを言っているのに対し、記者達の「世間の空気」をカサにきた質問が、いかにも失礼で、勉強不足であるというもので…

日米首脳会談の総括

満額回答 第一回の公式な日米首脳会談が終了し、安倍総理が帰国しました。トランプ政権については、選挙戦のさ中には様々な問題発言がありましたし、予測可能性の極めて低い政権であるだけに、まずは一安心というところでしょう。日米同盟に対する当座のリス…

トランプ政権誕生12日目

衝撃と畏怖 トランプ政権の誕生から12日が経過しました。営業日ということでいくといまだ10日にも満たないわけですが、同政権が発する大統領令に世界中が振り回されています。歴代の新大統領も、政権発足100日プランを作成し、一気呵成に懸案の処理にあたっ…

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