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山猫日記

国際政治学者、三浦瑠麗のブログです

CSIS Pacific Forumに寄稿しました。

ISIL(「イスラーム国」)によるテロと日本政治、日本外交について、米シンクタンクCSISのPacific Forumに寄稿しました。PacNet #10 - Terrorism, old grudges, and Japan’s renewed position in the world | Center for Strategic and International Studies

テロリズムと時代認識

日本人2名が殺され、同じくISIL(「イスラーム国」)に拘束されていたヨルダン人のパイロットも、残忍な方法で殺されました。整理できぬ感情、整理できぬ情報の中で、それでも、我々は進んでいかなければならないのだろうと思います。それが、日常を破壊する…

追悼

湯川さんと後藤さんの二人の日本人人質が殺されました。不吉な予感がなかったかと言えば嘘になります。ころころ変わる犯罪者の要求を追いかけ、世界中で起きている悲劇と改めて向き合い、人質となった二人の足跡を知る中で、我々は狂騒させられました。あた…

資本主義からの逃走(2)

前回は、巷をにぎわす資本主義批判に共通する問題点について指摘しました。本日は、資本主義批判の背景に存在する政治性に焦点を当てたいと思います。 まず、歴史的な構造からいくと、資本主義がどのように成立するに至ったかということがあります。経済史の…

資本主義からの逃走(1)

ギリシャの選挙で急進的左派連合が勝利し、公約どおりの反緊縮策を進める構えを見せています。南欧の小国の政治変動は、本来的にはそれほど大きなニュースではないのですが、欧州の経済危機の震源地でのことでもあり、金融危機以後の世界を苦しめた財政危機…

テロと自由と日本社会(2)―捕虜交換にひそむ倫理的葛藤

日本人が人質となったテロ事件に新たな展開が生じました。正確な事実関係は深い霧の中にあって、事態の進展には絶えず疑いが生じます。それを前提としてですが、人質の一人の湯川さんは殺害され、テロリスト側の要求はヨルダンでテロ事件を起こした死刑囚と…

戦後70周年の日本外交と対外メッセージについてー北海道新聞に寄稿しました

一昨日(2015年1月23日)の北海道新聞朝刊の「各自核論」寄稿を以下に転載します。 戦争と戦後について考える年がまた巡ってきた。戦後40年には、中曽根総理が靖国神社に参拝し、中国との対立が注目された。戦後50年には、政府の歴史認識の機軸となっている村…

テロと自由と日本社会

日本人2名がイスラーム国の人質となるテロが発生しました。テロリスト達は、安倍政権の中東政策を反イスラーム国的であると断じた上で、2億ドル(=約238億円)の資金を支払わなければ、人質を殺害すると予告しています。今般のテロ行為は、総理の中東歴訪の…

民主党代表選に寄せて―何が選択されようとしているのか

民主党代表選が佳境を迎えています。本来であれば、野党第一党の党首として次に総理となるかもしれないリーダーを決めるという緊張感に包まれていなければいけません。民主党の現有議席数の現実を考えると、実際には、そのようなことを言っても始まらないの…

根本的な改革と目の前の改革 : 佐賀県知事選を題材に

昨年末、まち・ひと・しごと創生に関する「長期ビジョン」と「総合戦略」が閣議決定されました。第二次/第三次安倍政権の看板政策がいよいよ動き出します。地方創生についての詳しい論評は後日行うとして、まずは、評価できる点、懸念すべきと思っている点を…

国内冷戦を乗り越える年に

2015年はいろいろな意味で節目の年です。戦後70年であり、自民党結党60年であり、村山内閣から20年です。時代を画す節目というのは、人を物思いにふけらせる効果があり、過去を見つめなおす契機となります。ところが、政治の世界において、過去を見つめなお…

新年に思うー2015

あけましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。 昨年の年頭にはじめた山猫日記も何とか一年続けることができ、振り返ってみれば約50本の記事をお届けすることができました。昨年の新年の抱負であった、週一本のノルマを何とか守…

年末回顧ーー産経デジタルに寄稿しました

皆さま、一年間山猫日記にお付き合い頂きありがとうございました。 2014年の重大出来事を回顧した記事を仕事納めに納品しました。産経デジタルに掲載されています。ご笑覧いただければ幸いです。ではどうぞ良いお年をお迎えくださいませ。「冷戦後」の終わり…

選挙結果の意味するところ

投票率の低下により自民への追い「風」の影響が少なかった 衆議院選挙は与党の2/3を超える圧勝で終わりました。選挙期間中は、国民の関心が低いと批判された選挙でしたが、終わってみれば予想通りの与党の圧勝で、マスコミや識者の多くもその意味するところ…

『プレジデント』に靖国問題についてのインタビューが掲載されました。

12月22日月曜に発売された『プレジデント』2015年新春特別号(1/12号)、「仕事に役立つ歴史の知恵」特集の「靖国問題」において、解説をしました。 現代の民主的な先進国において、プロの志願兵である兵士の犠牲は、早く忘れ去られる傾向にあります。豊かな…

産経デジタル寄稿ー総選挙の結果を受けて

総選挙の結果を受けて、産経デジタルにコメントを寄稿いたしました。詳細な選挙分析については、近々ブログにアップします。以下記事リンクもはや出来ない言い訳は通らない

日本の選挙区の構造について(2)

選挙区分析のポイント 日本の選挙区の構造を通じて政治について考えるシリーズの2回目、本日はもう少し未来志向で選挙区の分析を通じて見えてくる日本政治への意味合いについて考えたいと思います。 前回のポイントはこうです。衆議院選挙の帰趨を制するのは…

日本の選挙区の構造について

新聞各社は選挙の終盤を迎え、自民党の300議席超えを予想しています。今回の選挙では、野党は本気で与党に挑戦していないわけだから、与党の勝利自体には新味はないでしょう。選挙の勝敗そのものが論点でなくなったことで、一部のメディアは選挙後の政治の展…

産経デジタルに寄稿しました。

<a href="http://ironna.jp/article/690" data-mce-href="http://ironna.jp/article/690">保守二大政党にしかリアリティーがない</a> 保守二大政党にしかリアリティーがない 産経デジタルのご依頼で、以前も書いたテーマですが…

文藝春秋スペシャル2015年冬号

明日発売の文藝春秋スペシャル冬号に、日本のエリート論を寄稿しています。三浦瑠麗「日本ニューエリートの苦悩」です。今回は少し長い記事でした。お手近の書店か電子書籍でお買い求めいただければ幸いです。文藝春秋|雑誌|文藝春秋SPECIAL_150101文藝春…

共同通信に識者評論を寄稿しました―沖縄県知事選

去る11月16日に行われた沖縄県知事選挙に寄せて、共同通信に識者評論を寄稿いたしました。沖縄政治はいつも物事の重要度の割に世論の関心が集まらない傾向にあります。この問題に引き続き、中央と沖縄県政双方の真摯な取組みを期待したいと思います。以下は…

解散総選挙(3)―民主党の活路

解散総選挙に関するシリーズ第三弾、本日のお題は、政権交代というかつての旗印を失った民主党が今後も社会にとって前向きな存在であり続けるための方策についてです。 さて、まずは解散ということに引き付けて指摘すると、民主党はもはや政権を再奪還する可…

解散総選挙(2)

前回のエントリーでは、今般の解散について党利党略であるとの批判よりも、アベノミクスを正面から争点に据えて戦うべきということを申し上げました。野党にとっては、左派的なプラットホームで戦うことは万年野党への道であり、右派的なプラットホームで戦…

解散総選挙(1)

安倍総理が消費税増税の先送りとそれを踏まえた解散総選挙を表明しました。政府や日銀はマクロ経済についてより詳しく知る立場にあるのですから、先般の日銀の追加緩和も、にわかに高まった解散風も経済統計の悪化を踏まえてのことでしょう。日本経済も、ア…

文藝春秋オピニオン 2015年の論点100に寄稿しました。

本日発売の文藝春秋オピニオン『2015年の論点100 』に寄稿いたしました。お手近の書店ないし電子書籍でお買い求めいただければ幸いです。第二部、安倍政権と日本の政治のセクションにて、論点14(66〜69頁)に載っております。執筆当時、早期解散は予期してい…

文學界12月号にコラムを寄稿しました。

文學界 2014年12月号Author's Eyes の1ページコラム 欄に、「溝を憂う」を寄稿しております。明日発売です。文學界新人賞の各受賞作も載っていますので、どうぞお買い求めいただければ幸いです。

沖縄県知事選とアメリカとの付き合い方(2)

前回は沖縄知事選の争点になっている普天間基地の移設について、日本という国のガバナンスの視点から取り上げました。折しもアメリカの中間選挙の開票が進んでいる本日は、日米同盟について、広くアメリカという国との付き合い方について考えたいと思います。…

沖縄県知事選とアメリカとの付き合い方(1)

沖縄県知事選が始まっています。実際の沖縄県民の空気はいろいろだろうと思いますが、中央のマスコミが切り取る限りにおいては、普天間から辺野古沖への基地移転の是非が主要な論点のようです。こじれにこじれ、言い尽くされた感のある論点ではあるのですが…

北海道新聞に寄稿しました。

北海道新聞の10月24日付朝刊、各自核論の欄に寄稿させていただきました。 以下、記事本文を転載します。 「積極的平和主義」を考える 自民党の政権復帰から約2年、安倍内閣は積極的平和主義を掲げて活発な外交を展開してきた。アフリカ、南米、南アジアなど…

ノーベル平和賞受賞スピーチ(草稿)

憲法9条及びそれを守ってきた日本国民が、ノーベル平和賞を受賞する可能性について報じられています。改めて、北欧の小国が勝手に決定する賞に日本ではこれだけ注目が集まることに感心します。とは言え、ネット空間でにぎわっている誰が授賞式に行くのか、そ…

非正規雇用と日本の民主主義

非正規という形で働く方の割合が継続して高まっています。統計によって多少の差があるようですが、80年代の後半から実数で2.5倍増加し、足もとでは既に労働者の約4割に相当します。非正規労働のすべてが一概に悪ということではないでしょうが、本日は非正規…

消費増税反対キャンペーンについて

新内閣にとって、消費増税の判断は今年の秋以降の政治の流れを占う重要なイベントとなりそうです。増税合意の当事者だった谷垣幹事長の任命や最近の閣僚の発言を見る限り、予定通り増税することが政権の既定路線と思われます。増税判断も、そのための景気動…

地方創生とは何か?

第二次安倍改造内閣が発足しました。総理や主要閣僚の会見を通じて伝わってくるメッセージは「地方創生」が重要テーマとなるということです。自民党が政権に復帰して後のアベノミクスの恩恵を全国に広げるというのが目的ということですので、時宜を得た課題…

戦後69周年「識者評論」より転載(共同通信社への寄稿)

終戦記念日特集で、共同通信社に評論を寄稿いたしました。 8月13-15日にかけて各地方紙に載った内容のオリジナル版を以下に転載します。 「死者を悼む」 本日8月15日は、お盆であり、終戦の日として、二重の意味で祈りの日である。今年は、その日を安全保障…

ガザにおける紛争について

ガザでの紛争に出口が見えない。何度かの停戦を挟んで交渉は行われているようですが、停戦合意の継続さえままならないようです。積み重なった怨恨と利害関係の複雑さにフラストレーションばかりが募り、平和という言葉が、もはや空疎にさえ聞こえてしまうほ…

韓国について考えたこと

本日は韓国について考えたいと思います。先般、中国の習近平国家主席が韓国を訪問しました。日本における報道のトーンは、強力に演出された中韓の蜜月ぶりの真偽を問いつつ、歴史問題で反日共闘姿勢への警戒が語られるというところだったように思います。北…

集団的自衛権(2) – 闘え左翼、ただし正しい戦場で

7月1日、集団的自衛権が現行憲法の解釈として認められるという趣旨の閣議決定がなされました。関連する法整備はこれからですし、その後も、安全保障の現場で日々行われる意思決定や行動規範がただちに変化するわけではないでしょう。安全保障の世界の常識…

政権の偉業と開かれた保守―外交政策

政権の偉業とは何かについて考えるシリーズ第三弾、「開かれた保守」をキーワードに今日は外交政策について考えたいと思います。前回からだいぶ時間があいてしまったのでこれまでの議論をおさらいします。第一弾では、安倍政権では、実は経済改革がどんどん…

集団的自衛権論争の本質

集団的自衛権をめぐる論争がどんどん盛り上がってきています。本稿でも他のテーマを論じる中でこの論点にも触れてきたつもりですが、最近、「で、三浦さんはどうなのよ」的なプレッシャーをいただくようになりました。泥仕合の感が高まっている論戦を眺めつ…

共同通信社/加盟49社の論説研究会で講演しました

一昨日(5月26日)、共同通信社と加盟新聞社計49社の論説担当責任者の論説研究会(於共同通信社本社)で、「『シビリアンの戦争』と『共和国による平和』」と題して招聘講演を行わせていただきました。 冷戦終結後この方、世界大での民主化が進展し、また権…

政権の歴史的偉業とは何か

GWで少し時間が空いてしまいましたが、前回のエントリーでは、安倍政権において進んでいる経済改革について一歩引いた立場からの評価を試みました。そして、確定的な評価には時期尚早との留保はありつつ、圧倒的な政権基盤や同政権の保守的なイデオロギー故…

第三の矢 ー 安倍政権の経済改革の歴史的位置づけ

安倍内閣の経済政策が大きく動いているようです。しかし、それは多くの方の実感には反するかもしれません。安倍内閣がこれまで進めてきた最重要の政策は、もちろんデフレ脱却を目指して行われてきた金融政策です。国内外を問わず、経済誌や専門家の論調は、…

Gゼロの世界を生きるー米オバマ大統領のアジア訪問に思うこと

ウクライナ情勢の深刻化をきっかけとして、米国のリーダーシップの限界を指摘する、いわゆるGゼロ論が活発になっています。米国の相対的な地位の交代は金融危機をきっかけに加速し、オバマ政権の内政志向によって加速されていることですので、今に始まったこ…

ロシアのG8追放は禍根を残す

ウクライナ情勢をめぐる国際社会の緊張がエスカレートしています。エスカレートという言葉自体、冷戦中に頻繁に登場した言葉で、現代にはいかにも合わないものですが、残念ながら現在の状況を言い当てる言葉になってしまいました。クリミアでの住民投票、同…

ウクライナ情勢について

ロシアのウクライナの内乱に際してのクリミア介入が争議を呼んでいます。欧米メディアの論調は、「新冷戦」を予測する者から、以来の地政学的なショックというものまで、冷静な分析とそうでもないものが入り混じっています。日本の論調は、事実関係について…

維新ムーブメントの盛り上がりと、失速と、再盛り上がり?について

日本維新の会の政策実現が曲がり角に来ています。維新ムーブメントの生誕地である大阪では、看板政策である大阪都構想が他政党の積極的及び消極的反対にあって停滞しているため出直し選挙が計画されています。他主要政党から有力な候補者が出てきそうにない…

共和主義者のジェンダー論

安倍政権は女性活用を重視しているようです。「第三の矢」の成長戦略への注目が高まる中で、「三年間抱っこし放題」のキャッチフレーズとともに有名になった育児休業の延長や、5年間で待機児童をゼロとすることなどが目玉であり、ダボス会議では指導的立場に…

野党再編(2)

前回のエントリーでは、今後数年の日本政治の重要テーマである野党再編について、地方までを含んだ保守系二大政党制が確立するかどうかがポイントであると申し上げました。それでは、日本全国保守一色になってしまうのではないかという懸念をもたれる方がい…

野党再編(1)

野党再編は今後数年の日本政治のホットトピックとなるはずです。衆参で自民党が圧倒的な優位にあるからこそ、野党はそこにエネルギーを注がざるをえません。いったん政権交代を経験してしまった以上、かつての社会党のように万年野党であることを受け入れつ…

地方経営における共感と想像力―日本維新の会が回帰すべき方向

先日の日経新聞に、日本の特に地方部の人口動態について興味深い記事がありました。現在のトレンドで推移すると日本の多くの地方は人口がどんどん減っていき、共同体として存立し続けることが難しくなるという、とても深刻な内容でした。株価、為替、成長率…