山猫日記

国際政治学者、三浦瑠麗のブログです

トランプ大統領就任✔

合法的な革命 トランプ氏が米国の第45代大統領に就任しました。立場の差を超えて「歴史」が我々の前で展開しているという感覚を持った方も多かったでしょう。選挙を通じた合法的な革命であるという言葉がしっくりくる一日だったように思います。8年前、若者…

総理の真珠湾訪問-「必要悪」を脱することができるか

象徴の日 安倍総理がハワイの真珠湾を訪問しました。この訪問は事前からメディアに宣伝され、史上初であるかどうかも含めて(実際には4人目)、様々に喧伝された和解の総仕上げの演出ではありました。こうした政治化された訪問で劇的な成果として評価を受け…

「トランプ大統領」誕生

時代の転換点 トランプ大統領が誕生しました。ほとんどのメディアも、識者も、クリントン氏有利を予想していたこともあり、歴史的な事件であるとの論調が世界中を駆け巡りました。米国大統領が持っている権力と、時代の雰囲気を作り出す能力は今なお絶大です…

民進党代表選と蓮舫新代表

政治の異常状態は続く 日本政治は異常な状態が続いています。2012年末に自民党が政権に復帰して以降、自民一強、安倍官邸一強が続き、日本政治から政権交代の緊張感が消えているのです。国民の多くにとっては、もはや、当たり前の感覚になりつつあるかもしれ…

今上陛下のご意思表明を受けて

今上陛下のお気持ちの表明動画が8月8日午後3時に発表されました。NHKは列島各地、ことに被災地や最近行幸があった地域や施設などの人々がTVで聴き入る風景を流していました。暑い夏のこと、71年前の緊張を思い起こしたかつての少年少女もおられたでしょう。 …

新都知事に求められるもの

日本政界を代表する主要3陣営 都知事選の総括は、各方面で行われています。小池氏の圧勝という結果を解釈すること自体はそれほど難しいことではないでしょう。今般の都知事選の主要三候補は、過去20年ほどの日本政治の典型的な3つの陣営を代表していたように…

参議院選挙総括―誰が負けたのか?

勝ったのは与党 参議院選挙が終わりました。自公で過半数を大きく上回る143議席を確保し、いわゆる改憲勢力で2/3の162議席を確保しました。公明党を改憲勢力と形容するのが適切かどうかはともかく、憲法審査会が動かされ、改憲が具体的な政治日程に上ってく…

バングラデシュの人質殺害事件を受けて

沈黙に抗うために バングラデシュでテロ事件が発生し、20人の人質が犠牲となりました。うち7人は日本人の援助関係者でした。事件発生から時間が経つにつれて、人質殺害をめぐる凄惨な状況が明らかになってきました。報道によれば、犯人達は人質にコーランの…

参議院選挙論点シリーズ(4)――都市型政党が生きるスペース

経済論議の主戦場 参議院選挙が公示されました。参議院選挙の論定シリーズ、本日取り上げたいのは構造改革についてです。私は、今懐かしい絶望感を覚えています。アベノミクスによって少なくとも日本経済と政治の雰囲気が変わる前の八方塞がりの感覚です。海…

国政選挙論点シリーズ(3)-憲法改正「統治のための統治」

三分ノ二 参議院選挙の最大の論点はアベノミクスの是非、その継続の是非であるというのが政権のスタンスです。これは、なかなか微妙な課題設定です。アベノミクスの三本の矢は、金融緩和、積極財政、構造改革のはずでした。何が微妙かというと、この処方箋自…

国政選挙論点シリーズ(2)ーアベノミクスの評価「現状維持プラス・アルファ」

評価対象は経済運営の全体国政選挙論点シリーズの第2回は、「アベノミクスの評価」を取り上げたいと思います。アベノミクスとは、金融政策と財政政策と構造改革のセットであるはずなので、本来であれば、個別の政策ごとに評価をすべきところでしょう。本稿の…

サミット「空回りの外圧利用」

「G7ではいかなる大きな決定もしなかった」-伊勢志摩でのサミットに先立って行われた財務省・中央銀行総裁会議での独ショイブレ財務相の発言です。ホスト国に対し、ここまでストレートに失礼な発言をするあたりはさすがです。債務危機に対して、欧州中を敵…

国政選挙論点シリーズ(1)-少子化対策のキモ「官民格差」に踏み込めるか

国会の会期末が近づき、7月の参議院選挙に向けて主要政党の候補者が出揃いつつあります。永田町界隈の関心は、サミットで出される玉虫色の宣言を一つの方便として、消費増税の延期を発表し、国民に信を問うために衆議院を解散する衆参同日選挙のシナリオです…

「トランプ大統領」の世界―語られた孤立と平和

初の本格的な政策演説 アメリカ大統領選挙における共和党の予備選が事実上終わりました。焦点となっていたインディアナ州の予備選でトランプ氏が圧勝し、クルーズ、ケーシック両候補は選挙戦から離脱、トランプ氏が共和党の指名を得るのはほぼ確実な情勢とな…

トランプ現象解題(2)ー意気揚々と撤退する米国

笑えない課題 米大統領選の共和党予備選においてトランプ氏の快進撃が続いています。山場と言われた予備選を次々に制し、代議員レースにおいても他候補を大きく引き離しています。トランプ氏と共に、茶会党系のクルーズ上院議員と、穏健派のケーシック知事が…

トランプ現象解題ースーパーチューズデー決戦前夜

決戦前夜 米国大統領選は決戦を迎えようとしています。これまで、民主・共和両党の候補者を決めるために4つの州で予備選挙が行われました。民主党はヒラリー・クリントン候補、共和党はドナルド・トランプ候補がそれぞれ3勝しています。現地時間の3月1日(火…

メディア「ムラ」は民主的に統制されるべきか?―高市総務相の放送法発言問題

日本における言論の自由に対する懸念が強まっています。実際に、言論の自由やそれを支える報道の自由がより不自由になっているのかについては諸説あるでしょう。国会でも論戦になっています。国際的なランキングが万能とは思いませんが、国境なき記者団が発…

難民問題の教訓

2015年は世界中のメディアが難民とテロのニュースで溢れた年でした。この二つのキーワードには深い関係があります。テロも難民も、横暴な政府や統治の崩壊といった国内の病弊から生まれ、周辺国の安定や安全に影響を及ぼします。テロは国家ほど強くない集団…

米大統領選のニューハンプシャー州予備選を終えて

アイオワ州の党員集会に続き、はじめての予備選がニューハンプシャー州で行われました。民主党の勝者はバーニー・サンダース氏、共和党の勝者はドナルド・トランプ氏です。両党の勝者に共通するのは、もっとも主流派から遠いところにいると自らを位置づけて…

慰安婦問題の日韓政府合意を受けて

老練な外交成果 日韓が慰安婦問題について合意に至りました。先の首脳会談で、「年内解決」がぶち上げられて以来、日韓合意が近づいている旨のリークが続いていましたから、まったく意外であるというわけではありません。私自身は双方の国内政治上、受け入れ…

大阪W選挙の結果を受けて

ポピュリズムの勝利 大阪の府知事選、市長選は、おおさか維新の会の二候補の圧勝でした。多くのメディアが強調した低投票率の下での圧勝ですから、大阪維新の会に対する根強い支持があると解釈すべきでしょう。維新からすれば、5月の住民投票に敗れ、創業者…

パリ同時多発テロを受けて

悲劇とは我々の姿を映す鏡 パリの同時多発テロから数日が過ぎ、ようやく事態の全体像が見えてきました。当初の混乱の中では、首謀者が誰であったかも、全員が拘束されたのかもはっきりせず、追加的な攻撃の恐怖も持続していました。フランス当局は、ISの犯行…

日中韓首脳会談と東アジアの未来(2)

朝鮮半島は日本外交の大きな試練 東アジアの未来について、楽観論と悲観論が同居する世界となるのではないかと申し上げました。つまり、楽観論と悲観論の論拠となる事態が別個に進行しているということであり、今後数年の些細な時代の成り行きによって、どち…

日中韓首脳会談と東アジアの未来(1)

悲観論と楽観論が共存する東アジア 我々は時代の転換点に立っています。東アジアの未来には楽観論と悲観論が並び立って存在しているからです。楽観論の核心には経済の相互依存が深まっていく姿があります。関係国間に共通の利害の基盤が育っていき、相互利益…

米大統領選の構図はヒラリー対ルビオ

戦いの構図はヒラリー vs ルビオ 米国の大統領選挙が新しい局面を迎えています。本選挙は2016年11月ですから、まだまだ1年以上続くわけで、今後も様々なドラマがあるでしょうが、民主・共和両党において一定の構図が見えてきたということです。 まず、民主党…

習近平国家主席の訪米と米中関係の行方

中国の習近平氏が国家主席として初めて公式に訪米しています。オバマ政権の過去6年強のあいだ、米中関係はおおむね安定しており、特に、首脳会談ということでいくと蜜月の演出が目立っていました。今回の訪問では、多少、温度感が異なるようです。世界の趨勢…

安保法制ーー何が選択されたのか

安保法案が参議院で可決され、成立しました。戦後の安全保障政策にとって大きな転換の日であり、日本政治全体にとって大きな転換の日であったのだと思います。国会内で見られた歌舞伎的な物理的抵抗も、国会外で繰り広げられた現代日本にしては粘り強いデモ…

維新分裂と安保法制をつなぐもの

日本政治が動いています。安保法制をめぐる議論がいよいよ佳境に入り、参議院での採決の日取りも取りざたされ、野党提出の対案の審議や60日ルールの適用をめぐる鞘当てが活発化しています。国会内で少数の立場にある野党勢力は、国民世論を喚起すべく、街頭…

戦後70年の総理談話に想う

争われたのは「歴史」ではなく「政治」 第二次世界大戦の終結と日本の敗戦から本日で70年を迎えます。歴史書に記述され、祖母から伝え聞いたことからすると、70年前の8月15日も、とても暑い日だったそうです。今日も、まだ昼前だというのに庭の蝉が力の限り…

NewsPicks連載記事のお知らせ

しばらくブログでの記事のお知らせが途絶えておりましたが、紙やオンライン媒体に書いた文章について余裕のある時にはSNSだけでなくなるべくブログでもお知らせしようと思っております。 NewsPicksというニュースのキュレーション/コメントの媒体に6月から…

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